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エピソード4 「無職、ユニオンに加入する。」 ~元テレビ番組制作会社ADの未払い残業代請求ストーリー~

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12 /10 2018
~元テレビ番組制作会社ADの未払い残業代請求ストーリー~

エピソード4 「無職、ユニオンに加入する。」

 残業代請求を決意し、色々とインターネットで調べていた時に偶然発見したyahoo記事(https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20170625-00072523/)で紹介されていた相談窓口には、NPO法人POSSEと書かれていました。この記事を食い入るように読んだのが、20時30分過ぎ。明日電話するかと思いつつ、NPO法人POSSEを調べてみると、相談時間は21時まで。

僕「えっ!? まじで・・・」

 これはもう何かの運命だと思いました。
 慌てて、電話をしてみると、、、

相談員「はい。NPO法人posseの労働相談窓口です。」
僕「インターネットの記事を見て電話したのですが・・・。」
相談員「すいません。今、他の相談者の対応をしているので、20分後にかけ直してもいいですか?」
僕「わかりました。宜しくお願いします。」

 と、一旦電話を切りました。映像業界について書かれた記事と自分の会社の類似性の高さに、興奮しすぎて、慌てて電話した僕は、冷静さを取り戻すことに20分を費やしました。しかし、いざ電話してみると、開始30秒後には、興奮で一方的にガーっと話している自分がいました。


 正直、この対応してくれた相談員が、何を言ったのか、興奮しすぎて、全く覚えていません。恐らく、優しく対応してくれたんだと思います。慰めてくれたんだと思います。ただ、そんなことは当時の僕には、どうでも良く、会社を辞めてからの半年間、この苦しみを誰にも理解されないと思って、会社で経験したことや、会社を辞めた本当の理由を誰にも言っていなかった僕は、とにかく話したくて話したくてたまりませんでした。さらに、退職してから貯金を切り崩して生活をしていたため、日に日に減っていく貯金通帳の残高に追い詰められ、この必死さに拍車をかけていました。


 この半年間の引きこもり生活で、吉野家に行っても、無言で牛丼の注文とお会計ができる体になっていた僕は、こんなにも流暢に日本語を話せることを認識し、久しぶりに生きている実感を得ました。そして、その相談員は、後日、直接面談してくれるとのことだったので、早速予約を入れました。

 その2日後、面談をしました。そこで、 改めて僕は、未払い残業代があること、暴力を受けていたことを詳細に話しました。そして、未払い残業代を請求できる3つの方法を教えてくれました。

①労働基準監督署
②弁護士
③労働組合

相談員「残業代請求は、この3つの方法があるのですが、暴力やパワハラが起きる職場環境を改善させたいのであれば、労働組合が一番良いです。」
僕「労働組合ですか・・・(なんじゃそりゃ)」 
 
 労働組合という言葉は知っていましたが、どういうものなのか何も知らない僕に、その相談員は、優しく説明してくれました。そして、NPO法人POSSEには連携している労働組合もあるとの説明を受けました。

相談員「労働組合っていうのはですね。団体交渉で、○×△、、、」
僕(なんでこの人、無職の俺にずっと労働組合の説明をしているんだろう。大丈夫かなぁ。)
  「ありがとうございます。労働組合について、大体は理解できました。けど、僕、無職なんですけど・・・。」
相談員「大丈夫です。無職の方でも加入できます。」
僕「・・・・え、そうなんですか?」
  
 なんとこのNPO法人POSSEが連携する労働組合は、企業の外にある労働組合で、年齢、性別、国籍に関係なく加入でき、しかも、無職でも加入可というものでした。いわゆる、ユニオンと呼ばれる労働組合です。僕は、労働組合なんて大企業の正社員にしか関係ないと思っていました。無職なんて関係ないと思ってました。
 考えてもいなかった提案に驚いていると、

相談員「残業代だけでなく、暴力の問題も是非、解決しましょう!」

 僕が受けた暴力に対して、「是非やりましょう!」と言ってくれた相談員の力強い言葉に背中を押され、未払い残業代だけでなく、パワハラと暴力についても問題解決したいと強く思い、

僕「はい。是非、前向きに検討させて下さい!」

 と返事をし、後日改めて加入するかどうかを確認する面談をもつことになりました。
 帰宅してからは、相談員の方が言ってくれた残業代請求の3つの方法を比較検討しました。労基署に関しては、前回のブログで書いた通り、一人で請求してくださいと言われたので選択肢から消えました。そこで、残業代請求の依頼を受けている法律事務所を調べました。Googleで、「残業代請求 弁護士」と検索し、とある法律事務所のHPに辿りつきました。そこには、無料相談の文字があり、さっそく電話してみました。

担当者「はい。〇〇法律事務所です。」
僕「すいません。残業代請求したいのですが。」
担当者「分かりました。それでは、都合のつく弁護士から折り返し電話させますね。その際に必要となる、雇用契約書やタイムカード、給与明細などあれば事前に送って下さい。」
僕「わかりました。ありがとうございます。」

<3時間後>

弁護士「〇〇法律事務所の△△と申します。宜しくお願い致します。」
僕「宜しくお願い致します。」
弁護士「香川さんの場合、固定残業代の超過分が支払われていないということですよね。この場合は、・・・・・・」

 というように、労基署やユニオンと同じ説明を受けました。こんなにも簡単に弁護士と話しができるものなのかと思っていると、

弁護士「最後に、弁護士費用は成功報酬の4割となります。」
僕「・・・そうですか。わかりました。検討してみます。」

 成功報酬4割という金額に、僕の中で弁護士という選択肢は消えました。
 そして、ユニオンでの残業代請求を決意しました。
(※ちなみに、これは後日談ですが、この法律事務所では、初回のみ弁護士が対応し、その後は事務所のスタッフしか対応しないらしい。結果論ですが、法律事務所にしなくて良かったです。いやー、危なかった。笑)

 しかし、ユニオンでの残業代請求を決意した僕はというと、パワハラと暴力の問題解決への不安と恐怖が大きくなっていました。

僕「よくよく考えてみると、暴力をしてたプロデューサーやディレクターともう一度顔を合わせるってことだよなぁ。思い出したくもない人間なんだよな。もう一度、彼らや暴力について直視するってことか・・・。うううぅぅぅぅ、、、、、。ユニオンの相談員に、結構、乗り気な感じで暴力の問題もやるとか、言っちゃったなあ~。どうしよう。あ~どうしよう。」

 と、悩んでいる自分がいました。
 後日の面談で、パワハラと暴力は諦めて、残業代請求だけすることを伝えました。ユニオンのスタッフさんには、「本当にそれで良いですか?」と何度も尋ねられましたが、暴力に直視する恐怖に打ち勝てない自分がいました。そして、団体交渉でとりあえず残業代請求をすることだけを目的に、ユニオンの加入申込書に記入し、ユニオンの組合員になりました。
 そして、、

スタッフ「直近だと、ジャパンビバレッジの団体交渉があるので是非参加してください。団体交渉がどのような雰囲気かわかると思います。」
僕「ありがとうございます。参加します!」

<ジャパンビバレッジ団体交渉当日>

 ドキドキしながら団体交渉の会場に着くと、20人程の組合員が参加していました。後ろの席に座り、人生で初めての団体交渉を見学していると、会社は、ユニオンの質問にまともに答えず、逃げるばかりの対応でした。当時よく報道されていた日大アメフト部の監督・コーチの記者会見を再現しているかのようなジャパンビバレッジ側のお偉いさん達は、終わりの時間が来ると、「時間なんで。」と言い、何の回答もすることなく、一方的に席を立って会議室から出て行きました。

組合のスタッフ「ちょっと待ってくださいよ!」
組合員A「・・・ふざけるな!!」 

 その方は、ジャパンビバレッジ組合員のリーダー的存在でした。そして彼には、妻と子供がおり、会社から狙い撃ちで解雇を予告されていました。この日は、解雇撤回を求めての団体交渉だったのです。一人の従業員の人生がかかっている状況での団体交渉で、不誠実な対応をしてくる会社を見ながら、、、

僕「大企業は大変だよな。上層部と現場の人間との間に交流がないから、現場の人間をモノ扱いできるんだ。僕の場合は、小さな会社だから、社長や役員との距離も近かったし、さすがにここまで酷い対応はしてこないでしょ。」
 と心の中でつぶやきながら、他人事として傍観していました。

 この時はまだ、何故か僕を搾取していた会社をどこか信じている・・・、いや、信じたい自分がいました、、、。


~次回 『いざ、申し入れ!』~

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「クロネコヤマトはどうしても黒い」ヤマト運輸組合員の想い。

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11 /24 2018
ヤマト交渉画像
(団体交渉の帰り道)


現在、ブラック企業ユニオンは、ヤマト運輸と労働環境改善のため団体交渉を継続しています。

また、これまで、当事者のAさんは、労働基準監督署へ会社の違法行為について通報もし、残業代不払いや休憩の未取得等の法違反が認められ、是正勧告も出ています。

しかし、まだまだ、会社はAさんやユニオンへ誠実に対応をしているとは言えず、団体交渉は長期化しています。

今回は、なぜ、Aさんがこれまで長年勤務してきた、ヤマト運輸に対して改善の声をあげたのかをお伝えします。
ぜひ、ご覧いただき、職場環境に苦しんでいる方・悩んでいる方がいましたら、私たちへご相談ください。
一緒に会社を改善しましょう。

◆Aさんの想い〜同僚の自殺による決意〜

私はヤマト運輸に勤めて20年になる宅配ドライバーです。
あの手この手を使い、ヤマト運輸を普通の社会倫理の通用する会社にしようと、団体交渉等を重ねています。

「勤め先が気に入らないのなら、転職すりゃいいじゃん」という意見もあるでしょう。
もちろんそうです。そう出来たら最高です。しかしながら生活もあり簡単にはそう出来ないのが現実ですよね。そこに上手につけこんで来るのが、ヤマト運輸の様なブラック企業なのです。

私自身も転職に悩むことから逃避して、ブラック企業の馬車馬として20年を過ごしてきました。
アレコレと考え込むより企業風土に合わせている方が楽ですよね。絶対服従の上意下達。

耐えられない者は次々に辞めていきます。
「辞めていく者は社会不適合、甘い奴ら」と残った社員は馬鹿にしていました。
大量採用、大量離職。
ヤマト運輸はセンターという少人数のグループで、各地区を担当しているのですが、1年として同じメンバーで通年を過ごしたことはありませんでした。

我慢に我慢を重ねてきましたが、どうしても我慢出来ない事が出来起こりました。
センターの同僚が自殺してしまったのです。
宅配ドライバーはかなりのストレスが溜まる仕事です。
ある意味で「馬鹿」にならないとやってはいけません。
上手く思考を停止する要領が必要なのです。

しかし、この事件が起こってから、私の脳内は活性化し始めました。「アレ?やっぱりこの会社オカシイ?」この事件が起こってから私の闘いが始まりました。

ヤマト運輸の労働者で困っている方がいましたら、ぜひ、ブラック企業ユニオンまでご相談ください。一緒に会社を改善しましょう。

幻の銘酒「七本鎗」で有名な冨田酒造有限会社はブラック企業?〜労働条件の改善を求める組合員の休職延長認めず〜

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10 /18 2018
幻の銘酒「七本鎗」で有名な日本酒の酒造メーカーである、冨田酒造有限会社http://www.7yari.co.jp/)で、職場の安全や長時間労働の改善を求めていた組合員Bさんの休職期間延長を、会社が認めないと表明しました。

組合員Bさんは、長時間労働が原因とみられる精神疾患のため現在、3ヶ月間休職しています。

Bさんは、長時間労働が精神疾患の背景にあると考え、労災申請しています。
医師も、診断書で、病気の原因として職場のストレスを挙げています。

冨田酒造の休職の規定は、半年まで延長できることになっています。また、使用者には、労災期間中の雇用を維持する義務がありますが、会社は休職の延長を認めない、としました。

冨田酒造は、これまでの私たちとの交渉で、職場の安全や労働環境の改善をしていく、と回答していましたが、今回の対応からするに、一切ブラック企業としての気質は変わっていないことがわかります。

私たちは、冨田酒造は対し強く抗議行動を行なっていきます。
みなさんの応援を、ぜひよろしくお願い致します。

リクナビなど大手民間求人サイト三社にジャパンビバレッジ東京の求人の掲載停止を要請しました!

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10 /04 2018
 ブラック企業ユニオンは、大手民間求人サイト三社(リクナビ、マイナビ、エン・ジャパン)と求人情報適正化推進協議会に、サントリーグループの大手自動販売機オペレーターであるジャパンビバレッジ東京の求人の掲載停止を要請しました!

 私たちのジャパンビバレッジ東京社に対する要求は、不払いになっている残業代の支払い、管理職によるパワハラ・暴行の撲滅と被害の補償、労働基準法の遵守、違法な組合敵視・不当労働行為をやめることなどです。しかし、同社は当組合の要求には応じず、違法行為の改善を行いませんでした。

 そこで、当組合の組合員がJB東京社の違法行為を労働基準監督署に通報したところ、ジャパンビバレッジ東京社は、2017年12月6日付けで足立労働基準監督署より「事業場外みなし労働時間制」の運用について「極めて不適切」であり、制度が無効だとする行政指導を受け、長時間労働の是正を勧告されました(労働基準法第32条違反)。

 さらに、ジャパンビバレッジ東京社は、残業代不払いについて、今年4月末に足立労働基準監督署から、7月には新宿労働基準監督署と亀戸労働基準監督署から、是正勧告を受けています(労働基準法第37条)。JB東京社は、およそ半年の間に四度の是正勧告を受けていますが、これは異例のことです。
 
 こうした事態を受けて、私たちは今年4月18日より、会社の規定を遵守し、サービス残業を拒否する「順法闘争」(争議行為の一種)を展開してまいりました(現在も継続中)。また、ゴールデンウイークやお盆の期間には、組合員の多数がストライキを実施してきました。

 そして、今年7月末には、当組合とJB東京社が争議状態にあることを確認した東京都労働委員会が、職業安定法20条に基づき、ハローワーク(公共職業安定所)に対し、JB東京社に求職者を紹介しないよう通報しました。

 求人情報適正化推進協議会の「求人情報提供ガイドライン」(11頁)によれば、求⼈情報提供事業者が、「2」掲載を差し控えるべき事項」として、「イ 事業の内容または募集の内容が法令に抵触するもの」「ヘ ストライキまたはロックアウトが⾏われている求⼈企業・事業主からの募集および、その求⼈企業・事業主において、ストライキまたはロックアウトが⾏われるおそれの多い争議が発⽣している旨の通報が、労働委員会から公共職業安定所になされたことが判明した場合の募集」という事項が挙げられています。

 上述の通り、ジャパンビバレッジ東京社は、およそ半年の間に労働基準監督署から四度の是正勧告を受けており(労基法32条が一回、労基法37条が三回)、掲載を差し控えるべき事項の「イ」に該当します。

 また、ストライキが行われるおそれの多い争議が発生している旨の通報が、今年7月末に東京都労働委員会から公共職業安定所になされており、掲載を差し控えるべき事項の「ヘ」にも該当します。

 これらを踏まえ、「求人情報提供ガイドライン適合メディア宣言制度」において宣言をなされているメディア(54社 138メディア)に対し、ガイドラインを遵守し、ジャパンビバレッジ東京社の求人の掲載を差し控えるよう、求人情報適正化推進協議会から指導するよう、要請しました。

 また、「適合宣言メディア」であり且つジャパンビバレッジ東京の求人を現在掲載しているリクナビ(株式会社リクルート)、マイナビ(株式会社マイナビ)、エン転職(エン・ジャパン株式会社)の3媒体・3社に対して、ジャパンビバレッジ東京の求人の掲載をやめるよう要請しました。

 労働基準監督署から四度の是正勧告を受け、東京都労働委員会からハローワークに対し争議中につき求人掲載を止めるよう通報があったジャパンビバレッジ東京社の求人について、大手求人サイトが求人情報提供ガイドラインに従って求人の掲載をとり止める判断をすることを期待しています。

 私たちとしては、一刻も早く、サントリーグループのジャパンビバレッジ東京社には、労働環境の改善や残業代の支払いを約束するよう求めていきます。そして、そうした改善が約束されるのであれば、速やかにストライキ等の争議行為を終わらせ、求人の掲載も認めたいと考えています。

ジャパンビバレッジ東北が組合員に未払い賃金を一部支払い 労働組合へは引き続き不誠実な態度

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09 /27 2018
○未払い賃金が一部支払われました

 私たちブラック企業ユニオンは、ジャパンビバレッジ東北に元従業員の組合員への未払い賃金の支払いを求めていましたが、この度、一部の未払い賃金は会社から支払われました。

元従業員らは、実際の労働時間とは異なる「所定労働時間」を会社の指示で勤務管理表に書かされていました。会社が今回支払ったのは勤務管理表で見ても明らかに未払い賃金となっている労働時間の部分のみです。未払いになっている時間は、勤務記録表に記載時刻以外の労働時間や、休憩時間未取得時間に対する賃金です。

会社の支払った未払い賃金は本来の額から大きな差がありますが、一部でも支払わせたのは組合の大きな成果です。

○ジャパンビバレッジ東北での働き方の実態

 出社時間についてみてみましょう。会社が提示した自動販売機の売り上げ管理などに使う「ハンディー」の記録では、ある元従業員のある日の最初の記録時間は朝6時台となっています。一方で、労働時間を記録する勤務管理表には出社時間が朝7時台の数字が書かれています。これは、明らかに矛盾する内容です。
実は、この元従業員は少なくともこのルートでは仕事を終わらせるため所定時間より早く仕事をしなければなりませんでした。しかし会社は、実際の労働時間ではなく所定労働時間を勤務記録表に書くよう指示していたため、本来の労働時間が記録されていなかったのです。このことを私たちは団体交渉や文書で指摘しましたが、会社の担当者は「労働者が勝手に早く来ていただけなので、会社は指示していない」という趣旨の不誠実な回答をしました。
 また休憩時間についても会社と組合の主張には大きな隔たりがあります。こちらも、「ハンディー」の記録を見ると、一つの自動販売機からその次の自動販売機へ移動する間隔は短く、またたとえある程度時間があってもその時間中にも作業をしているので、実際上は休憩時間とは言えない時間ばかりです。しかし会社は団体交渉では、「細切れでも休憩できるはずだ」「会社は休憩をとるように指示をしていた」などといい、労働者が悪いと言わんばかりの回答でした。

○労働時間管理を行わなかったのは会社の怠慢です

この問題は、会社が労働時間の管理を適切にしていないため起きた問題です。そもそも労働時間を適切に把握することは労働基準法にも定められている使用者の責務であり、厚生労働省が定める「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html
においても、「自己申告による労働時間の把握については、あいまいな労働時間管理となりがちである」とし、原則的には使用者が現認するかタイムカードなどの客観的な記録を基礎として確認するように求め、「やむを得ず、自己申告制により始業時刻や終業時刻を把握する場合」であっても「講ずべき措置」として以下のものを求めています。

(ア)自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
(イ)自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。
(ウ)労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。  
また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること

つまり、本来は原則通り労働時間を客観的な方法で把握する措置を会社は取るべきでした。またそうした記録が争いとなっている現時点でない以上、なるべく客観的な記録に近い「ハンディー」の情報を重要視するべきです。なぜなら、そもそも厚労省がガイドラインで明らかにしている通り、労働時間をなるべく客観的に把握し、どうしても自己申告制をとるのであればそれを労働時間の実態に即したものにするための措置を講じるのは会社側の責任だからです。それにもかかわらず、労働時間の証明の責任を労働者に転嫁し、未払い賃金を支払わない会社の姿勢には労働基準法の考え方や国の指針にも反する大きな問題があることは明らかです。

○ジャパンビバレッジで働いている、みなさん、ぜひ組合にご相談ください

 以上のように、きちんと労働時間の記録を見て再計算すれば、ジャパンビバレッジ東北の多くの従業員には一定額の未払い賃金があります。こうした未払い賃金は、ユニオンで交渉すれば支払わせることができます。現在ジャパンビバレッジで働いている人や、退職した人で賃金などについて疑問がある人は、是非一度ご相談ください。 

ブラック企業ユニオン

ブラック企業ユニオンは、総合サポートユニオン(http://sougou-u.jp/)のブラック企業支部です。労働問題でお困りの方は、下記連絡先までお気軽にご相談ください!

〒155-0031
東京都世田谷区北沢4-17-15
ローゼンハイム下北沢201号室
TEL:03-6804-7650
FAX:03-6740-1690
メール:soudan@bku.jp
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アクセス:京王井の頭線/小田急線「下北沢駅」西口より徒歩10分、京王線「笹塚駅」より徒歩10分