日本料理店「瓢嘻」を経営するstyle-RANGE社と団体交渉を行いました!

活動報告
07 /19 2017

 7月10日、ブラック企業ユニオン(総合サポートユニオン・ブラック企業支部)は日本料理店「瓢嘻」各店舗を経営するstyle-RANGE社と、第1回の団体交渉を行いました。
 「瓢嘻」の店舗では、従業員が1日15時間以上にもおよぶ異常な長時間労働を強いられていたうえ、多額の未払い残業代が発生していました(同社の労働実態について、詳しくはこちらの記事「STYLE-RANGE社への団体交渉の申し入れと、ユニオン加入の呼びかけを行いました!」をご参照ください)。

 また、同社の違法な労務管理について労働基準監督署から、残業代の未払いや労働時間の把握義務違反など、複数の項目に対して是正勧告が出されています。

 従業員のAさんと元従業員のBさんは、このような労働環境を改善し、調理師の方が安心して働ける職場をつくるために、会社へ団体交渉を申し入れました。
 以下、団体交渉の経緯について報告します。

・長時間労働の実態について
 Aさんは1日15時間以上という過酷な勤務を強いられ、休憩も十分にとれていませんでした。こうした長時間労働の実態について、会社側の勤務時間記録を確認しましたが、その記録は実態にそぐわないものでした。
 まず、職場のタイムカードは従業員本人ではなく管理職が代理打刻しており、正確な勤務時間を反映していませんでした。さらに休憩時間についても、記録上は3時間もしくはそれ以上の休憩をとったことにされていましたが、実際には食事をとる30分程度しか休めていません。仕込みなどの作業をしていた時間も会社の記録では休憩時間としてカウントされるなど、休憩時間に関する認識の食い違いが明らかになりました。

・36協定について
 労基法36条に従って、時間外労働を認めるための労使協定(36協定)を締結する場合、適正に選出された労働者の過半数代表と締結しなければなりません。しかし同社では、選挙などの手続きもないまま、管理職と本社人事部との間で代表者が決められており、一般の従業員には36協定締結の事実が知らされていませんでした。このような問題については、過半数代表を適正な方法で再選出し、36協定を結びなおすことを会社に対し要求し、会社も同意しました。

・未払い賃金について
 Aさんは月100時間以上の時間外労働を強いられていたにも関わらず、残業代は全く支払われていませんでした。この問題には、一定の時間外労働分の賃金を基本給に含めるという固定残業代という制度が関係しています。Aさんは面接のさいに「この会社では残業代が出ない」という説明を受けており、固定残業代制度についても一切知らされていませんでした。さらに、会社が定めた68時間という固定の時間外労働を大きく超過して働いていたにも関わらず、超過分の残業代が支払われることもありませんでした。
 このような固定残業代制度の運用は裁判例でも違法とされており、本来であれば無効となります。style-RANGE社は固定残業代を悪用して莫大なサービス残業を命じていましたが、こうした労務管理は許容できるものではありません。今後の交渉でも、適正な未払い賃金の支払いを求めて争っていきます。

・未払い賃金の全従業員への支払いについて
 労働基準監督署は、「瓢喜 香水亭 京橋店」に立ち入り調査し、未払い賃金があると指摘し、是正を勧告しています。もちろん、「瓢喜 香水亭 京橋店」に限らず、他の店舗の従業員に対しても、未払いとなっている賃金があります。ところが、会社は、「瓢喜 香水亭 京橋店」以外の店舗の従業員の未払い賃金の支払いについては約束してくれませんでした。未払い賃金の存在を知りながらも、その支払いを約束しない姿勢には問題があります。


 今回の交渉では、一部ユニオン側の要求が通った項目もありました。しかしそれ以上に、会社側の出席者が会社の労務管理(所定労働時間の算出基準や就業規則等の周知状況)について十分に把握しておらず、交渉にあたって不誠実ではないかと見られる点が目立ちました。また交渉中にも、上司にあたる人物から当事者のAさんに対する「疑問に感じたのならなぜすぐに言わないのか」といった威圧的な言動が見受けられました。このような交渉態度に対しては断固として抗議するとともに、今後の誠実な対応を求めます。
 以下、第1回の団体交渉に臨んだAさんのコメントです。

Aさんのコメント:
 私は調理の専門学校を卒業し、6年以上調理の仕事に就いてきましたが、Style‐Range社に入社してからようやく調理師業界の抱える問題に向き合うことができました。
 一日15時間、月に330時間を超える職場で休日の予定も立てられず、この働き方に疑問を感じ、団体交渉を申し入れました。
 しかし上司である料理長達には未だ、これが当たり前の勤務形態であり、疑問を感じた僕側に問題があるかのような接し方で一回目の交渉を終えました。
 これはこの会社だけの問題ではなく、料理業界全体の問題であると改めて感じる内容でした。
 今後の交渉内容が飲食業界に少しでも影響を与える結果になることを切望しています。


 Aさんは、長時間労働・賃金未払いといった問題の解決はもちろん、調理師が安心して働けるような職場づくりを願って、会社との交渉に臨んでいます。料理業界に蔓延する労働問題を解決していくためにも、今後の交渉で引き続き改善を要求していきたいと思います。


 STYLE-RANGEの各店舗や、同じ料理業界で働かれている方で、労働環境についてお困りの方は、ぜひ一度、当ユニオンまでご相談ください。「ユニオンに加入したい」「一緒に会社と交渉して労働環境を改善したい」という方も大歓迎ですので、ご連絡をお待ちしております。

総合サポートユニオン
info@sougou-u.jp
03-6804-7650

 相談は無料で秘密厳守です。従業員の皆さんが安心して働ける業界づくりに向けて全力で支援していきますので、お気軽にご連絡ください!
スポンサーサイト

ブラック企業ユニオン

ブラック企業ユニオンは、総合サポートユニオン(http://sougou-u.jp/)のブラック企業支部です。労働問題でお困りの方は、下記連絡先までお気軽にご相談ください!

〒155-0031
東京都世田谷区北沢4-17-15
ローゼンハイム下北沢201号室
TEL:03-6804-7650
FAX:03-6804-7247
メール:soudan@bku.jp
HP:bku.jp
アクセス:京王井の頭線/小田急線「下北沢駅」西口より徒歩10分、京王線「笹塚駅」より徒歩10分